SIKO FEATURED

白石社長インタビュー 後編

漏れないLAB

海外にもシコーの技術の高さを伝えていきたい。
原点は留学していた時にアメリカの袋屋に認めてもらったこと

ちなみにシコーだけではなく、袋の業界として抱えている課題などはありますか?

白石:マーケットが徐々にシュリンクしていっていること、そして人手不足は大きいのではないでしょうか。人手不足はもちろん私たちの業界だけの問題ではないと思います。
マーケットのシュリンクの理由は大きく2つくらいあると思います。一つは、包材が紙袋から違うものになること。例えばお米袋30キロ入れる紙袋は、玄米入れて30キロごとに紙バンドを縛るのって大変なんですよ。大型の生産法人とかになるとフレコンバックっていう1000キロ入るものに入れちゃう。なのでフレコンバック1袋採用されると紙袋が33袋消えてしまう。もう一つが、お客様が国内で製造しているものが、工場の閉鎖であったり、海外への移転であったり。その上で人口が減っていくっていう中で、既存のお客様が少しずつシュリンクしているという感覚はあります。

なるほど。一方で海外の市場は広がっていると聞いていますが?

白石:諸説あると思いますが、例えば東ヨーロッパやアフリカは今後発展していくと言われています。
つまり、建物とか施設などがどんどん作られていく。それには大量のセメントなんかを結構使うのですが、そういうところでニーズは広がっていっているのではないでしょうか。紙袋に入れたセメントに関しては。世界全体で言うと需要は伸びていると思います。

シコーは海外にもチャレンジしていく?

白石:はい、挑戦していきたいですね。

海外でもシコーの「漏れない」は強みになるのでしょうか?

白石:海外のものを日本に輸入するときには、私たちの袋はかなり強いと思います。品質対応やトラブルなどを考えると「漏れない」は本当に重要だと思います。今後はそういう観点で海外にも挑戦していきたいですね。袋に関しては自信があります。

白石社長も海外出張にはいかれてると思うのですが、シコーの袋ってびっくりされるのではないですか?

白石:現在は、売り込みを頑張ってる最中です(笑)
ただ過去にアメリカに留学していた時の話なんですけど、教授に相談してアメリカの袋会社に行ってみたいと言ったところ紹介してくれましてね。うちの袋は漏れない袋っていうのが一つのコンセプトで、アメリカでそういう会社はないかと思っていました。当時はミシガンにいたんですけど、南部のルイジアの袋会社を紹介してもらって行ったことがあります。その時にシコーの福島の工場から袋を送ってもらって、持参して訪問したんです。

そしたらその会社の工場長が目の前でシコーの紙袋を解体して、うちの袋よりもお前のところの袋が漏れないと。お前のところの方がちゃんと端っこまでのりがついてるとか言ってくれました。

それがとても嬉しくて自信になったことを今でも覚えてます。その原体験が日本の袋の技術の高さ、引いてはシコーの袋の技術の高さを体感した瞬間でした。だからこそ、海外にもどんどんこれから伝えていく。伝えてみたいんですよね。

漏れない」ということでシコーを探してくれるお客様も多いと聞きました

白石:ホームページを探してもらって問い合わせていただくケースは増えましたね。漏れない袋で探して探して辿り着いてくださったみたいで。嬉しいですね。

かなり困っていらっしゃったんですね(笑)

白石:はい、そうやって問い合わせてもらったので嬉しいですね。
でも袋の課題って漏れないだけでもないんですよ。もちろん漏れもありますし、空気を抜くことや、あとは……「滑る」とか。あるいはこういう製品を今度作って袋詰めしたいのですが、など色んな相談をいただけますね。

最後の砦みたいな感じ?

白石:いやいや、そんな大それた存在だとまでは思っていないです。
でも「漏れない」を追求するプロセスで様々なニーズにお応えしてきていますので、できる限り力になりたいとは思っています。少しでも喜んでもらえると嬉しいじゃないですか。

袋業界をもっと盛り上げたい。
新しいことはどんどん取り入れて、おもろい挑戦をし続けたい

漏れない技術はどのように次世代に継承しているのでしょうか?

白石:各工場で工夫していろいろやってくれてます。
経営者として思ってるのは、技術の伝承を伝言ゲームみたいにしないことですね。劣化をさせずに新しい課題やテーマをもって、技術を伝えるだけではなく磨いていくことは大事だと思っています。課題を持って若い世代にはトライをしてもらいたいと思いますし、みんな一緒になってやっていく。当事者意識を持ってできるような仕組みを作ることは、経営者としての仕事かなと思います。

シコーで働いている方はどんなタイプの人が多いのでしょうか?またどんな人と一緒に働きたいと思っていますか?

白石:弊社は優しくて思いやりのある人が多い気がしますね。やりたいことを全力で支えて、一緒になって考えてくれる人が多い。
また、採用面でも試行錯誤はしていますが、素直な人、挑戦してくれる人、そして何故を考えられる人にきてもらえると嬉しいなと思っています。僕はワイワイガヤガヤやるのが好きなんで、そういう人も大歓迎です。

シコーとして今後挑戦していきたいことはありますか?

白石:会社として挑戦したいことはやっぱり海外にもっともっと広げていきたいですね。あと、やっぱりあの紙袋もそうなんですけど、私はこの袋業界、さえも愛してやまない男なんですね。だから、シコーという会社はもちろんですが、この業界が社会的に評価されるようにしていきたいと思っています。大昭和紙工産業株式会社との業務提携の取り組みもその一環です。

技術的には?

白石:漏れない袋を構成する要素はいくつかあるんですけど、まだまだやりたいこと、やれることはあるのではないかなと考えています。この前ドイツの袋メーカーを視察した際にも、取り入れてみたいことはたくさんありました。

ドイツでの視察もそうですが、外のものでも受け入れられる会社の風土もあって古い業界の中でも新しいチャレンジをし続けてきたことが漏れない袋に繋がっているのだと感じました。

白石:ありがとうございます。それは祖父の時代から今に至るまでは、創意するということを一貫してやってきたからなんだと思います。袋を作るだけではなく、袋を作る機械のことも知らないといけないし、袋詰めする充填技術も知った方がいい。袋以外のことも色んなことを学んでアップデートしていくことは大事だと思います。

まだまだチャレンジをされたいことも多いと思いますが、現状の手応えはいかがですか?

白石:技術もそうですし、会社の成長で言うと、当初私が描いてた理想にはまだまだではありますが、着実に近づいていっているような感覚は持っています。有難いことに売上は社長就任から毎年ほぼ増えています。でもまだまだやりたいこともあるので、満足はしてないですね。

袋の技術も会社の成長もこれからも楽しみですね。

白石:はい、期待していてください。私たちだけではなく業界としても盛り上げていければと思っています。

最後に、白石社長にとって「漏れない」とはなんですか?

白石:「漏れない」ことは、おもろい挑戦、よそがやらないならうちがやるってことですかね。

※5フレコンバッグ
ポリプロピレンなどの樹脂製でできた大型袋