SIKO FEATURED 特集記事
世界の袋市場と「interpack」視察で見えた、シコー技術の可能性
今回は、約1週間にわたるドイツ出張から帰国した社長である白石に話を聞いた。現地の袋会社や世界最大級の国際展示会「interpack」を視察してきたシコー一行。世界の袋市場におけるシコーの技術の可能性や、次なる成長に向けた課題、そして合宿さながらの「オジサン3人共同生活」の裏話まで、出張の手応えとリアルな所感をたっぷりと語ってもらった。
ドイツには2023年のダイパック社との技術提携から毎年のように訪問しているそうだ。
シコーはドイツを中心とした海外企業と連携を強化していくことで、技術を向上させるだけでなく、輸入や輸出といった海外から日本へ、そして日本から海外に向けて業務の領域をさらに広げていくことを目指している。
今回のドイツ出張の目的は、袋を作る機械メーカーの視察と交流、そして技術提携先であるダイパック社との打ち合わせだ。それ以外にも、海外展示会に参加し、市場視察などを通じて、海外の最新設備・製袋技術・原紙・包装業界の動向を自分たちの目で確かめること。そして、今回は白石だけではなく、広島工場の責任者である氏家さんと、福島工場の技術責任者の大内さんも同行したという。
約1週間のドイツ出張の成果と、所感を白石に聞いた。

ドイツ出張、お疲れ様でした。いかがでしたか?
毎回のことではありますが、今回も非常に刺激的で勉強になりましたね。 今回の出張では、展示会そのもの以上に、展示会以外の面談先で得た手応えの方が大きかったですね。メーカーへの訪問では、技術的な理解がさらに深まったように思います。
やはり、実際に現地で見て、話を聞き、議論したからこそ得られた理解だと思います。
そして、今後のシコーの海外展開をさらに広げていくような足掛かりができたのではないでしょうか。改めて海外に向けて仕事をしていきたいと感じましたね。
今後シコーの海外進出、そして海外との取引を進めていく手応えがあったということでしょうか?
非常に感じましたね。もちろん海外の製品や市場の広がりなども含めて課題はあります。しかし、シコーの技術力は十分に通用すると感じました。もともと日本は品質が高いですし、お客さまもそういった商品を求めていらっしゃいます。現在は海外の企業でも日本同等の品質を求めることも少なくありません。だからこそ、我々の培ってきた「漏れない袋」とその技術は世界にも十分通用すると思いますし、ニーズもあると信じています。
シコーの技術や製品への可能性を感じた一方で、課題や解決すべきことも見つかりました。今後、海外との接点をさらに持つ上でも、様々な企業との関係の強化は重要なテーマだと思います。また日本と海外では規制や規格も異なってきますので、今後も情報は収集していきたいですね。
あとは、英語力の向上です(笑)。通訳に頼るだけではなく、自ら直接コミュニケーションを取れる力を高めていく必要があります。もっと英語を勉強しないといけません。
今回の出張は、広島工場の責任者である氏家さん、そして福島工場の技術責任者の大内さんも同行されたと聞きました。
はい。3人で合宿さながらの共同生活でした(笑)。ホテルではなく、アパートを借りて、一緒に。 今回の出張では、合宿に近い宿泊スタイルを取ったことで、会話時間が圧倒的に増えたと思います。自然にその日の体験を振り返る時間が生まれ、現地で見たこと、感じたことをすぐに共有できたことで、互いの理解が深まり、会社の未来について一緒に考える関係性をつくることができたように感じます。
海外という日常から離れた環境で、同じものを見て、同じ時間を過ごし、率直に意見を交わすことで、それぞれの考え方や人間性をより深く知ることができたのは視察以上の収穫だったかもしれません。
ただ毎回このようなスタイルにするか考えないといけませんね。特に年齢や立場によっては気を遣う面もありますし(笑)

海外の展示会はいかがでしたでしょうか?
3年に一回開催されている「interpack」という国際的なパッケージに関する展示会に参加しました。今回の大きな目的の一つでした。日本で開催されている展示会に比べても圧倒的な規模であり、世界の包装業界の広がりを確認する機会となりましたね。
重袋と、その周辺領域に限ると、目新しい技術革新は一部を除き多くは見受けられなかったようにも感じます。展示会全体の規模は大きいものの、重袋に関わる製袋、充填といったテーマでは、既存技術の延長線上にある展示が中心でした。
しかしながら、中国企業のアピールと成長は非常に印象的でした。ますます価格、性能、導入スピードの面で、競争環境の変化の可能性を感じましたね。
総じて、「interpack」では世界的な包装業界の広がりを確認できた一方、重袋と、その周辺領域では、規制対応、リサイクル対応、高速充填対応、分離・再資源化といったテーマに対し、各社が既存技術を発展させながら対応している印象でした。

一緒に参加された氏家さん、大内さんの印象はいかがでしたでしょうか?
自社の考え方以上に、機械技術が先に進んでいることを実感したと言っていました。 その上で、現場としては海外の刺激を還元したいという思いも感じましたね。新しい設備の導入は、単なる生産性向上だけでなく、20代・30代の若手世代のモチベーション向上にもつながる可能性があります。ただ何よりも最優先すべきは現場力の向上であり、若手への指導、スキル育成で、今後の課題ですね。
こうした出張で、海外企業と継続的に接触することで、国内だけでは得られない情報を得ることは重要です。シコーの成長のためには、他工場の情報や会社全体の状況をより深く知ることが必要だと思っています。
ドイツのホームセンターにも行かれたと聞きました。
はい、海外に行く際は必ずホームセンターに行くようにしています。 どんな袋が使われているのか、ニーズがあるのかなど消費者の目線で「現在の市場トレンド」を感じることができると考えています。
実際に店頭に並んでいる商品を見ることで、ヨーロッパ市場における包装の現在地を把握できますからね。


最後にドイツの出張での総括をお聞かせください。
今回のドイツ出張は、単なる海外展示会視察ではなく、シコーが今後どのように設備投資を判断し、技術を選び、海外企業と関係を築いていくべきかを考える機会となりました。
海外の規制や環境対応を背景とした変化は確実に進んでいます。日本市場にそのまま適用できる技術ばかりではありませんが、今後も海外で起きている変化を継続的に把握していきたいです。
そして特に強く感じたことは、シコーが次の成長を目指すために必要なことは、単に新しい機械を導入することではなく、世界の変化を捉えた上で、自社に合う技術、伸ばすべき現場力といった土台を強くするということです。
今後も海外との接点を継続的に持ち続けていくことで技術開発、生産体制、人材育成に結びつけていきたいですし、その積み重ねによって、シコーらしい成長の形をつくっていきたいですね。
おまけ
袋屋社長 🇩🇪 放浪記2026
出発・ミュンヘン到着
機内でiPadにダウンロードしてきた映画『星の旅人たち』と『ルックバック』を視聴。どちらも良作で、前者は涙腺が緩んだとのこと。見たいと思いながら見られていなかった映画を一気に見ることができたのでビジネス出張のような非日常だと行動が変わるという気づきも。デュッセルドルフへのトランスファーがストライキでキャンセルにならないよう祈りながらミュンヘン着。
デュッセルドルフ到着・interpack初日
到着
デュッセルドルフに無事到着。宿はAirbnb。大家さんがロシア系でGoogle翻訳を駆使しながらコミュニケーション。同行者2名とのオジサン3人共同生活が始まる。
interpack初日
気温7度、雨と風で寒い。3年ぶりの開催の印象は日本からの来客が多い印象。メールのやりとりのみだった海外企業2社と現地で直接打ち合わせ。顔を合わせてスモールトークをした方が商談が盛り上がると実感。昼はジャンキー飯(ホットドッグなど)。

夜:日本の取引先とスペイン料理
袋業界の設備について、日本では聞けないような情報・意見を収集。「場所が変わると同じ人とでも話す内容も変わる」を実感。しめのパエリアがなかなか来ずウェイターに「coming coming」とずっと待たされたが、待っただけあって美味だった。

朝ラン&展示会継続
晴天だったのでデュッセルドルフ市内を5kmランニング。気分転換に。街のパン屋でサンドイッチとコーヒーを食べたかったが昨晩食べすぎたため断念。ランニング中に紙袋をかぶった人のペインティングを見つけて思わず撮影。袋をかぶっているので好感度アップ。


ドイツ企業と会食
ドイツ企業と会食。シュパーゲル(白アスパラガス)のスープを堪能(他の料理の写真は撮り忘れ)。日本のマーケットにおける紙袋に対する品質要求度は高く、海外のそれとは異なるため諸外国から見ると「ユニーク」に見えるのだと感じた。ただ、そのユニークさゆえに中国などの袋屋の参入障壁となっていることを再認識。
ヨーロッパの一部の袋屋がウクライナ・イスラエル紛争の復興を見越してセメント市場における紙袋の需要に期待しているという話も聞き、「日本から遠い地域の戦争後の復興を見越した経営判断という視点が自分にはなかった」と自省。

ライン川散策 → 発熱 → ラーメンで癒し
ライン川にかかる橋を歩いて渡ったところ、激しい雨風に打たれて発熱。翌日に持ち直す。出張最後の仕事を終えてから地元で評判の「匠」というラーメン屋に行くも、行列ができており近くの「武蔵」に変更。味噌ラーメンに舌鼓を打ちながら癒される。夜はスーパーで買ったサラダとイチゴのディナー。帰国後も出張続きのため、体調管理が経営課題だと痛感。
帰国日・振り返り
オジサン3人での最後の晩餐を終えて帰国。初めてドイツを訪れてから20年が経過、10回以上来ている。展示会だけが目的だった頃より訪問先が増えたことを手応えとして挙げる一方、英語力が進歩していないこと・ドイツ語も簡単な挨拶すら怪しいことを課題として反省。

関西空港到着・完結
無事に関空に到着。同僚が空港で朝食を食べるというのでコーヒーで付き合い、その後スーパー銭湯で疲労回復、大戸屋で和食を満喫。「これよ、これ〜っ」と心の中で呟きながら日本を堪能。「私はこよなく日本を愛している」と心の中で呟いてから明日の香川でのTV取材に備えて帰路につく。