SIKO FEATURED 特集記事
日本でわずか2社!?
「超大型両底袋」を生み出すシコー広島工場

シコーの広島工場は、西日本の最重要拠点と言われている。
広島工場の中でも最も特徴的なのは、超大型の両底袋を製造しているということだ。超大型とはその名の通り、非常に大きい両底袋のことを言う。一般的な紙袋と比較して袋のサイズが大きく、過去には胴幅700mm以上、底幅200mmを超える寸法の納入実績もあるそうだ。

超大型の両底袋は、炭酸マグネシウムやカーボンブラック、シリカなど粒子が細かい内容物に使われる。そのため充填スピードの向上を図るためには通気性の高い原紙の選定なども必要になるため、袋の中で非常に高い技術と独自の設備が重要になる。
日本でも超大型の両底袋を製造できる会社はシコー広島工場を含めて2社ほどしかないと言われている。
そんな西日本の最重要拠点である広島工場の責任者である氏家(うじけ)と社内でも発明家と言われている技術担当の井上に話を聞いた。
超大型の袋はお客様のニーズから生まれた。
機械も自分たちで考案してメーカーとともに試行錯誤の日々
改めてシコー広島工場について教えてください。
氏家:シコー広島工場の最大の特徴は、超大型の両底袋を作っていることです。
この超大型の両底袋を作れるのは日本でうちを含めても2社ほどだと思います。
広島工場はもともと両底袋を作っており、実は福島工場よりも昔から製造しています。シコーの中でも最も古く歴史が長いので、製造技術も広島から福島、そしてシコー全体に広がっていった感覚はありますね。

福島の技術もすごいので、切磋琢磨しながら成長しています。今では福島から教えてもらうことの方が多いかもしれませんね(笑)。
超大型の両底袋にはどんなものが入るのでしょうか?
氏家:内容物としては炭酸マグネシウム、カーボンブラック、シリカが主です。
本当に煙のようなもので、すごく粒子が細かいものです。例えばうちわで扇ぐと、ふわっと舞うような感じのようなもので、流動性が非常にあるものです。だからこそ袋も大きい必要があります。

超大型の両底袋に関しては、同業者を含めて日本で2社ほどしかないのですね。
氏家:ここまで大きな袋を作れる機械というのは、広島はもちろん日本にも多くはありませんでした。その中でも超大型の袋を作れるようにと井上が考案しました。そしてメーカーさんと一緒に作り上げたんです。

すごいですね。やはり大きな袋のニーズは当時からあったのですね。
井上:そうですね。シリカやカーボンブラックを扱われているお客様が袋に関して困っているという話を聞いたので、なんとかできないかと考えました。そして同時に漏れにも困っていたと伺っていたので、私たちの技術や経験を基に大きいけれど漏れにくい袋を作るということに取り組みました。

お客様のニーズや困りごとに向き合って、新しい価値を生み出していくというのはシコーらしさを感じます。
氏家:ありがとうございます。お客様のニーズや困りごとを実際にヒアリングしたり、汲み取ったりしてくれる営業との連携がしっかり取れているというのも大きな要因だと思います。

それにしても、今までやってこなかった大型の袋の製造を構想できるのがすごいなと思いました。機械も自分たちで作ったり、直したりするのもすごいですね。
井上:やはりベースには自分たちの機械は自分たちで直せるようにということがありますね。
自分たちでいろいろ直したりしていくと、機械の理解につながります。理解ができると構造も分かるようになり、そういった点を応用してここを直して、変えればこういうふうにできるよねというふうに、前向きな発想で現場にもなじみました。
「漏れない」にはずっと取り組んできた。
福島にある「漏れない試験室」の試験機は広島から生まれた
長い歴史のある広島工場にも転換期はありましたか?
井上:2010年頃でしょうか。そこで広島でも転換期があったと思います。大きくは今までやってきた糊の貼り方を大きく変更したということですね。長年漏れないということをテーマにやってきている中で、さらに漏れないを追求していく過程で必要な転換だったと思います。主に福島でやっていることを取り入れたということですね。

広島でも「漏れない」については、試行錯誤を続けていました。
当時やっていたことは、脱気をさせることに着目していました。広島では当時からカーボンブラックのような細かい粒子のものを扱っていましたから。
ですので、空気を抜けさせることを考えていました。袋に小さい穴を開けてみたりとか、スリットを入れてみたりとか、材質を変えてみたりとか。
しかし、より内容物の粒子が細かいものになっていくと、なかなか対応しきれないことも事実でした。だからこそ糊貼りの技術の高い福島工場から技術や工夫の仕方を教えてもらって今があります。
福島工場の実験室にある漏れないための試験機も初期は広島にあったと伺いました。
井上:そうですね。漏れない試験機は、自分たちで作りました。最初は製粉会社さんに足を運んで機械を見せてもらいに行きましたね。「すみません、見せてください」って言ってね(笑)。各社さんが本当に優しくて親身になってくださいました。それを参考にして勉強しました。構造が理解できると実際に作ることも試行錯誤もできるはずだと。

そこから試しに作ってみようと思いました。実際に自分で溶接して、穴を開けて、いろんなものを取り付けたりなんかしてね。
そしたら福島工場からも作ってほしいという依頼がありましたね。その後はだんだん要求もあがっていって(笑)。結果的に福島工場に置いてある試験機になったということです。
いろんなチャレンジと試行錯誤の中でシコーの漏れないための追求をしてこられたのですね。
井上:とにかく漏れをなくしていくということはシコーとしてもずっと突き詰めてやってきていました。何がきっかけということではなく、本当にずっと取り組んできた結果が今につながっているのではないでしょうか。
お客様の反応はいかがでしたか?
井上:もともと漏れに悩んでいらっしゃったお客様には、大変ご評価いただきましたね。そしてそれが、続いていくことで「シコーさんはすごいですね」と言われるようにもなりました。本当に嬉しいことですね。
シコーでしかできないこと、シコーだけができることに自信と誇りがある。私たちには他に負けないノウハウと経験がある
井上さんはもちろんですが、どうしてシコーの皆さんは技術への追求ができるのでしょうか?
井上:シコーのすごいと思うところは、お客様が困っていることに対して、真摯に受け止められるということではないでしょうか。たとえ袋が1袋であろうが、2袋であろうが、お客様が困っているのであれば向き合って真面目に取り組むことができますね。
また、目標やチャレンジングなこともチームで話し合って決めていきますね。みんなで決めたことなので、やはり守れるし、実施できるんだろうなと思います。そして漏れないことに対しても同様のモチベーションですね。
そういったモチベーションで仕事をしていることが、シコーの漏れないにつながっているんですね。シコーの漏れない凄さはなんでしょうか?
井上:袋は紙と糊で作られています。だからこそ、作業員がイメージした、要は折り方で糊が貼れるところが多分一番すごいことだと思います。
また、いろんな経験をしているからこそ、イメージもできるということです。現場が袋を熟知しています。
シコーでしかできないこと、シコーだけができることに自信と誇りがあるのかもしれないですね。言い過ぎると怒られると思いますが、紙袋に関することなら、何でもできますよ(笑)。

シコーにとって漏れない価値とはどのようなものだと考えられていますか?
氏家:やはり技術力ですね。紙袋は紙と糊でしかできていないのに真似はできません。とくに糊付けの技術はとにかくすごいですよ。そして、何より大事なのはお客様、営業と一緒になって考えてやっていくということです。
井上:そうですね。漏れない袋を作るためにもお客様の声や営業との連携は重要です。お客様がこういうことで困っていて、こういうことを求めているんだっていうのが分かれば、突き詰めていけます。とにかく我々にはノウハウがあります。だからこそお客様の声を大事にしたいです。
