SIKO FEATURED 特集記事
”漏れない”とはオモロイ挑戦、よそがやらないから私たちがやる

シコーの「漏れない」技術は試行錯誤の歴史だった。
”包装で創るストレスフリーな世界~つかいやすく、かたづけやすく、つくりやすい~”というビジョンを掲げるシコー株式会社(以下、シコー)の「漏れない」を伝えていくのが”漏れないLAB”です。
第一弾は社長である白石へのインタビューからシコーの「漏れない」を紐解いていきたい。
なぜシコーは多くのお客様から「漏れない」と評価いただいているのか。白石の思いやシコーの歴史、そしてシコーのこれからを前編・後編に分けてお伝えしていきます。
包むカタチを創意する。それがシコーの原点
改めてシコーの会社について教えてください
白石:弊社は、昨年75周年を迎えた産業用包装資材の会社になります。
元々は大阪紙工という会社で祖父が創業しました。紙工、試行錯誤、思考するなどの意味からカタカナでシコーという会社名になりました。産業用の包装資材は一般の方が日常生活であまり目にしないと思いますが、工場から工場に原料などが運ばれる際のパッケージ(袋)になります。
一般の方が身近なところでいいますと、うどん屋さんの入り口に積んである茶色い紙袋や、ホームセンターに置いてあるセメント用の20キロなどの紙袋です。デザインや綺麗な袋というわけではなく、重いものや危険なものを入れるための袋で強度があり、漏れないことが重要になります。もっと簡単にいいますと、工場から工場、工場からお店など目的地まで安心安全に運ぶための袋で、袋としての機能を求められるような包材をメインに製造しています。
シコーの由来は紙工だけでなく、試行錯誤や思考、至高の存在からきているのですね。
白石:実はそうなんですよ。だからこそ私たちは常に袋というものに対して思考し続けて試行錯誤していく存在になりたいと思っています。
シコーの強みってどういった点なんでしょうか?
白石:弊社の強みは、先代の代から包むカタチを創意する、ということをコンセプトにやってきているところかなと思います。そこが私たちの強みの根幹にあるのではないかと自負しています。
と言いますのも、もともと袋会社の多くは米袋に強いとか、セメントに強いとか、あとは小麦粉、製粉に強いとか、その内容物やカテゴリーによって得意な領域があるという業界でした。
私たちは昨年75周年とお伝えしましたが、袋屋業界としては後発の会社です。戦前からやっておられる会社もあるくらいで。
私たちが参入をする時に得意なカテゴリーがある会社や歴史のある会社が多かった中で、後から参入した我々としては、とにかくお客様のニーズに応えないと事業を伸ばすことはできないという状態でした。袋一つとってもお客様のニーズや課題は様々です。私たちは真摯に向き合い、お客様のニーズを読み取って形にすることをやってきました。それがシコーの強みかなと思ってますし、シコーの技術力の根幹かなと思っています。

つまり、お客様のニーズに合わせて様々な袋を創意できるっていうのが、シコーの大きな強み?
白石:はい、その通りだと思います。画期的に突拍子もない袋を作るとか、紙袋を違うものにするということではなく、見た目は同じでも空気が抜けるとか、粉漏れはしないなど、見た目は他の袋と変わっているわけではないのですが、機能としては全然違う。
そして、それらはお客様のニーズに基づいて開発していますので、常に考えて創意工夫をしていくことは得意ですね。
お客様の声やニーズを大事にされてきたという歴史があるのですね。
それが今のシコーの袋は漏れないと言われていることに繋がっている?
白石:そうだと思っていますし、お客様と一緒に技術を磨き、「漏れない」を作ってきたのだと自負しています。
社員の私が聞いちゃいけないかもしれないのですが、このインタビューを見ている方は初めて見ていただくことにもなると思うので、敢えて聞かせてください(笑)
私たちの生活であまり目にしないので、少しくらいは漏れても仕方ないのでは?
白石:漏れちゃだめです。絶対に(笑)
私たちのお客様に対しては真摯にありたいと思っていますし、そのお客様のお客様(工場から工場に運ぶ袋として)も真摯なお考えもお持ちだと思っています。
例えば漏れるということは、外のものが中に入ることで、異物混入の可能性があるということです。とくに食品を運ぶ袋であれば、なおさらあってはいけないと思います。また、自動車のタイヤを作るカーボンブラックのような粉が漏れてしまうと、その袋を積んでパレットやトラックの荷台が汚れてしまうという問題にもなります。また内容物によっては、工場が真っ黒になっちゃって作業できなくなるとか。
ですので、漏れると言っても、いろんな切り口での問題があると思います。作業現場での問題、物流現場での問題、衛生上の問題などです。だからこそ漏れちゃダメなんです。私たちの袋は漏れないと信頼してもらっている以上は、真摯に向き合っていきたいですね。
信頼感って大事なんですね。信頼関係も漏らしてはいけない?
白石:まさにそうです。信頼関係も漏らしませんし、漏らしてはいけない。笑

「漏れない」はシコーの試行錯誤の歴史
袋が好きな人には、敵わない。そう思っています。
やはりシコーにとって「漏れない」は大事なテーマですね。
白石:実際にお客様の声としてはありがたいお言葉を頂戴します。シコーは漏れないので、技術が高いといっていただけます。会社の歴史としても、セメントや小麦粉などというカテゴリーに絞るだけでは後発の会社として食い込めなかったので、技術で頑張るしかなかったんですよね。
当時手貼りでしか作れなかった漏れない袋を機械で作ろうっていうのを掲げてましたね。それに向かっていろいろ失敗もした歴史を聞いてます。会社や社員が一丸となってやってきた結果、今の成果やシコーの技術力につながっている。
やはり自分たちで漏れない袋を作れているという自負があるんですが、その自負ってどこであるかというと結局お客様からの評価なんですね。
自分たちでこれ漏れへんぞって言うんじゃなくて、お客様がお前のところは漏れへんと言っていただけたことは本当に嬉しいですね。
昔の話にはなってしまうのですが、とある会社が漏れない袋を採用したいということで袋屋さんの数社でコンペがあった。そしたらうちの袋が一番漏れなかったらしいんですよ。それで当時の営業さんとかも本当に自信をもって「うちの袋漏れまへんで」とか言うようになったと。なので歴史としても、他社がやりたがらない、ややこしい内容物の袋でもお客様と一緒になってやってきた。

そういった経験や技術、ノウハウは蓄積していった結果、シコーの袋は「漏れない」といっていただけるようになった。
白石:そうですね。紙袋は基本的に紙と糊から出来ています。その糊の貼り方とか糊の選定とか、糊を貼った後にちゃんとプレスをかけているのかとか、そういった探求や創意が大事だと思っています。あとは海外の袋の技術から取り入れたりもしています。袋の貼り合わせの下に1枚紙を入れて、漏れないようにするとか、いろんなノウハウと経験の積み重ねですね。
当然技術の進歩などでいい機械もあると思いますが、やはり人の力は大事ですか?
白石:大事ですね。これまで様々な難題に取り組んできた結果なのかと思います。機械ももちろんすごい。でも私たちは最後は人の力でやろうと思ってます。袋の漏れない評価は、袋を作っている我々の先の袋を使うお客様がするものです。ですから、袋を作る機械のメーカーよりも、袋を作ることに対しては、私たちの方がわかっていると思います。それで言うと、やっぱりあの最後のひと手間、もう少し工夫できるところが残ってるよねとかが大事。弊社のオペレーターは、「大がかりな設備をいれずに、こうすれば改善できるよね」といった提案も沢山考えて提案してくれるのですごいですよ。
大きなことやらんでもこっちのもっと簡易ならそれできるよねとか、そんなん考えたりとかしてくれます。すごいですよ。

すごいマニアックですね(笑)
白石:袋好きな人にはかなわんぞと思います。私たちの会社の人たちは、袋が好きですし、僕も好きなんですよね。
袋のどんなところが好きなんですか?
白石:そもそも紙と糊で出来てるだけなんですよ。でもその作り方によって、漏れるっていうことにものすごい差が出る。シンプルすぎるがゆえに奥が深い。
「漏れない」だけで言うと実際は紙よりもポリエチレンの方がいいのでは?
白石:内容物との相性にもよりますね。例えば、比較的粒の大きいものを袋詰めするのに適した方法の一つに、「オープンマウスバッグ(※1)」というものがあります。袋にドバッと入れるタイプです。しかし、小麦粉や、カーボンブラックみたいな粒の細かい内容物になるとドバッと入れると粉が舞ってしまう。ですので、バルブ式バッグ(※2)或いは両底袋と言いますが、オープンマウスではなく、バルブという注入口に充填ノズルを突き刺して入れるような形にしないとうまく入らないんですよ。ただ粒子が細かく軽いからバルブで入れる時に空気を入れながら中身も空気と一緒に内容物を放り込んでいくんですけど、その時に紙だと空気が勝手に抜けるんですね。紙自体が空気を通しますから。ポリエチレンだと空気を通さないので、そもそも大量に入らないし、入れるのであればめちゃくちゃ時間がかかる。
正直、紙袋からプラスチックに置き換わったものもありますけれども、全部置き換えられるかっていうと絶対そんなことはありません。様々な技術の変化はあると思いますが、紙袋は、絶対なくならない。だからこそ高い技術も必要になる。例えば、ナノパーフォレーション技術(※3)をちょっと入れたり、ソニックシール(※4)っていうヨーロッパ発祥の超音波封緘が日本でも採用されたりするようになってきました。
紙の話ばっかりしてますけど、もちろんポリエチレンの袋もやってますよ。そっちはそっちの良さがありますので、今回は漏れないLABということで紙袋をメインにします(笑)

後編に続く
※1オープンマウスバッグ
袋の口を開けて内容物を充填する方式
※2バルブ式バッグ
袋に「バルブ」と呼ばれる投入口があり、そこから原料を充填する方式
※3ナノパーフォレーション技術
クラフト重袋に微細なピンホール加工を施すドイツ生まれの加工技術です。袋本体からの脱気が可能になります。両底袋における充填速度のアップと粉漏れ防止、充填後に空気を含む製品の荷崩れ防止、などに期待ができます。
※4ソニックシール
ソニックシールとは両底袋(外弁袋)におけるバルブ(充填口)を超音波で封緘する方法です。バルブ内部に夾雑物(きょうざつぶつ)があっても粉漏れしない確実な封緘を実現します。欧米で一般的な封緘方法ですが近年、日本でも「粉漏れ防止」の観点から採用が広がりつつあります。