SOLUTIONS 課題解決事例
発酵TMR(TMR=混合飼料)は畜産業界の発展に貢献する新しい飼料。通常の飼料とは違い、発酵させることで飼料としての質が上がり、さらに保存にも優れているのが特徴です。しかし、製造過程でガスが発生し、飼料を入れる袋が破れてしまうなどの課題が発生しました。その解決策として、導入されたのがシコーの迷路シール袋なのです。
目次
現在の問題点
袋が膨張し、破れたり荷崩れがおきてしまう。小さな破れでも発酵TMRの腐敗につながってしまう
発酵TMRを作るには、乳酸菌が住みやすい環境を作ることが必要です。その際、一番気をつけることは空気の遮断。
乳酸菌のライバルとなる雑菌には、空気がないと窒息する好気性菌と空気がなくても生存できる嫌気性菌がいます。乳酸菌は嫌気性菌なので、空気があると好気性菌に負けてしまいますが、空気がない状態になると好気性菌は死滅。乳酸菌が活発に増殖して、乳酸菌自身が作りだす乳酸などによって他の嫌気性菌を抑えます。
袋を完全に密封した状態で2~3週間発酵させるのですが、密封後の早い段階で好気性菌が二酸化炭素を発生させて袋が膨張し、破れてしまうということが起きてしまいます。
たとえ破れなくても、袋が膨張してしまうと荷崩れが起きるのでパレット積みによる保管や流通ができません。
また、目で見て気づかないくらい小さな穴でも、そこから空気が入ってしまうと袋の中の発酵TMRが腐ってしまいます。
改善ポイント
POINT:単方弁の機能をシールパターンのみで実装した「シコーの迷路シール袋」をご提供
シンプルな加工で、袋の膨張など全ての課題を解決。
不良品がなく、廃棄量をゼロにすることができました。品質保持、荷崩れ防止どちらも解消しました。
発酵TMRが広まることで、畜産業界がどう変わるのか?
そもそも発酵TMRは良い飼料なのですが、小規模農家の方々には使うのが難しかったのです。というのも、従来の発酵TMRはたくさんのエサが必要な乳牛に使う場合がほとんど。1個400〜500kgの包装単位で流通しているのが現状です。食べる量が少なく、育てている頭数も少ない肉牛の農家の方々には、その量が多すぎるというのが長年の課題でした。そのために発酵TMR用の小袋が必要でした。