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化学・医薬 農業 肥料

「脱気+防水」を実現します!

防湿性 省コスト 脱気 荷崩れ防止 防水性
理想的な通気と防水力を両立させた袋が欲しい

PE袋(肥料袋)をマイクロパーフォレーション(微細穴加工 MP加工)袋に。理想的な通気で固結と荷崩れ問題をクリア、見た目品質も大幅改善!

住化アグロ製造株式会社 愛媛肥料工場様

住友化学グループの住化アグロ製造株式会社 愛媛肥料工場(新居浜市)では、農業用の肥料を生産しています。独自の加工技術で、肥料が土に溶け出す時期をコントロールすることができる被覆肥料はじめ、付加価値の高い肥料を供給することで生産者から広く支持されています。
同工場では、直径100ミクロン以下の小さな穴を開けた「マイクロパーフォレーション(以下、MP)袋」(肥料袋)を導入して、長年抱えていた通気の問題を解決しました。

住化アグロ製造株式会社
愛媛肥料工場
矢野福躬様

現在の問題点

脱気が必要だが、手作業でひとつひとつ穴をあけるのは効率が悪い

MP袋の導入前はどのような問題がありましたか?

矢野様 : 通気です。肥料を袋に詰めるときは、どうしても中に空気が入ってしまうものなんです。袋が膨らんだままの商品をパレットに積むと、安定が悪くて崩れます。だからきちんときれいに積むためには脱気が必要で、通常の(穴のない)PE袋(肥料袋)を使用したときは空気を抜くために千枚通しで袋にいちいち穴を開けることもありました。もちろん手作業です。

手作業による穴開けですべて解決できたのでしょうか?

矢野様 : 手作業で開けた穴は大きいので、雨などの水分が入り込みます。化成肥料に水は大敵。濡れると固まってしまうんです。これを「固結」と呼んでいるのですが、固結すればクレーム、返品となります。また、夏と冬で袋の脱気状態が変わることもやっかいな問題でした。夏はより膨らみ、冬はよりしぼむわけです。夏にちょうどよい状態で脱気できても、冬は空気が抜けすぎて袋ごとギュッと真空パックのように凝縮します。これは「疑似固結」(中身は固結していない)といって、やはりお客様には嫌われるんです。肥料自体は固まっていませんから開封したら何の問題もなく使えるのですが、見た目でクレームになります。パッケージの美観も大事です。

MP袋を導入することになった経緯は?

矢野様 : シコーさんからご提案がありました。もともと当社で使っていたPE袋はシコーさんの製品でしたし、このように通気の問題には困り果てていたので、2000年の3月から試験的に採用し始め、半年かけて評価した上で、その秋から全面的にMP袋に切り替えました。

ほかの素材の袋や、MP袋以外にも何か検討しましたか?

矢野様 : まったくしませんでした。というより、肥料袋を替えることで問題を解決できるという発想がなかったんです。業界ではどこも同じ問題を抱えていましたし、こういう袋はよそで見たことがありませんでした。だから提案いただいたときは「こんな袋があるのか」と非常に感心しました。

改善ポイント

POINT:季節や製品の種類を問わない、理想的な通気と高い防水力がポイントの肥料袋をご提供

マイクロパーフォレーション(MP)では、100μm以下の微細なピンホール加工により脱気が可能で吸湿を防ぎます。

導入してよかった点は?

矢野様 : 季節や肥料の密度に関わらず、自然に袋内の空気量を常にバランスのとれた状態にしてくれることです。袋(肥料袋)に肥料が詰められたときに入る空気は、ラインを流れる間に抜けるので、ヒートシールがしやすくなります。また、積み上げるときにはさらに理想的な状態に脱気されて、崩れにくいきれいな形で積むことができます。穴は見えないくらい小さく、テーパーがついている(穴の先が細くなるような加工のこと)ので空気は通るけど水は通さず、袋(肥料袋)が“呼吸”しているようなものだから、空気が抜けすぎることもなく、冬の疑似固結がなくなりました。

お客様からの反応は?

矢野様 : 疑似固結に関するクレームが全くなくなりました。崩れにくくきれいに積むことで“見た目品質”も向上しました。それまでは積み荷の周りにストレッチフィルムというラップをぐるぐる巻いて荷崩れを防いでいましたが、これが手間がかかるだけでなく産業廃棄物になるので、悩みの一つでもあったのです。しかし、MPとホットメルトによる滑り止めの採用によってそちらも解消できました。

導入後に何か問題は生じませんでしたか?

矢野様 : 特にありませんでした。梱包のラインに影響は生じませんでしたし、スムーズな脱気によってシールしやすく、きれいに積めるようになり、積み込み作業の効率がよくなりました。シコーさんの協力のもと、半年間じっくり試験を繰り返して導入しましたから。

何かご要望はありますか?

矢野様 : 穴の大きさは一番気になるところではあります。導入当初はシコーさんでも開発間もない時期だったので、基準値より穴が少し大きくなってしまうこともあったような気がします。要望といえばそれくらいのものですが、今はきっちり基準内に収めてもらっているので、問題なしですね。

(収録日:2014年7月)

住化アグロ製造株式会社 愛媛肥料工場様 会社紹介

農家の立場に立ち、明日の農業を考えます。

住化アグロ製造株式会社 愛媛肥料工場様は、日本の農業のために「灌水資材・種子コーティング・種苗・肥料」といった農業資材で商品の開発製造に取り組んでおります。就農者現象・高齢化・輸入品との競争・環境問題など大きく変化する日本の農業の現場において、農業資材の得意分野での知見・技術を持って常に農家のみなさんの立場に立ち、農家のみなさんに学びながら「より良い品質の農業物をよりよく生産する」ため取り組んでいます。

有機一発肥料

一回の肥料散布のみで良い結果を得られます

「有機一発肥料」は肥料成分が20~180日の間で段階的に溶出されるように管理された各種被覆肥料です。
栽培前に一回だけの投入で済みますので農家の負担を減らすことと、散布忘れなどによる失敗を無くします。

日本の環境を研究し地域に最適な肥料を提供

日本は南北に長く、地域によって天候は大きく違います。当然、肥料の種類や与えるタイミングなども異なってきます。住化アグロ製造株式会社 愛媛肥料工場様では、作物の種類や産地情報をコンピュータシミュレーションで最適化した処方で配合し提供するため安定した作物の収穫が望めます。

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